ゆらこ。/（21）

辞めようとした話

私がその“ご挨拶”に行ったとき、当時の店長はこう言った

｢ゆらこ｡色でいてくれ！！｣



キャストの皆さんのことを色鉛筆のように思っている

すごく綺麗な色が五反田にはいっぱいある

でも揃いすぎている

僕はもっとたくさんの色があっていいんじゃないかと思う

そうしたらもっともっと素敵だ

だから、ゆらこ｡さんはゆらこ｡さんのまま…

ゆらこ｡色のままでいてくれ！！



当時の方向性を聞けば聞くほど、学べば学ぶほど、怖くなった

だって私がやってきたこととは全然違う

なんなら真逆に近い



｢ゆらこ｡色！！｣

心細くなる度にしばしば励まされながら過ごした

店長の言う言葉には説得力があったし、十分理解できた

分かった、やっていこう



2023年夏の撮影、小道具にうちの犬を起用した

未だに残る不安を自覚するとともにそれが溶けていくのを明確に感じたのは この時期だった



2023年暮れのミスヘブンが終わる頃、やり切ったという実感とともに完全な自信が戻ってきたのを感じた

ここまでとすれば1年半くすぶったことになる



ビビリで心配性の私だから時間がかかった

でもじっくり向き合ったからこそ、もう二度と揺るがないと思う



今、笑顔でここに居続けられていること

大丈夫！という自信を持って



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